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YF-29 デュランダル(ワイエフ・にじゅうきゅう デュランダル)(Durandal)は、2部構成のアニメーション映画劇場版 マクロスF』の後編『劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』に登場する架空の兵器

マクロスシリーズ」の主要な兵器である、ファイター(航空機)・ガウォーク(中間形態)・バトロイド(人型)への三段変形機構を持つ可変戦闘機(ヴァリアブル・ファイター=VF)シリーズの一つ。愛称(ペットネーム)の「デュランダル」は、フランス叙事詩ローランの歌』の主人公が持つ聖剣の名前に由来する。プラモデルや超合金、マクロスクルセイドでは「デュランダルバルキリー(Durandal Valkirie)」という名称になっている。メカニックデザイン河森正治の手による。

概要 編集

劇場版オリジナルのVFとしてデザインされ、劇中では主人公早乙女アルトの専用機として登場する。VF-25 メサイアVF-27 ルシファーとは共通の設計母体を持つ姉妹機だが、これらの機体よりも高性能の最新鋭機として設定されている。機体形状は、VF-9 カットラスVF-19 エクスカリバーと同様の前進翼と、VF-27と同様の4発式エンジンが特徴で、実在の戦闘機に近い形状を持つVF-25に比べてSFメカ的な形状になっている。ペットネームもVF-9、VF-19を踏襲し刀剣の名を取っている。カラーリングは、試作機らしさが強調された赤と白のツートンとなっている。白い機体ではアルトの前の搭乗機であるVF-25Fとの差別化が難しく、逆に赤一色ではブレラ・スターンが搭乗するVF-27γと区別しづらいという理由からこの配色となった。

デザイナーの河森正治は配色による差別化以外にも、単純にエンジンを4発にしただけではVF-27との違いを出せず、さらに開発時期がVF-25と重なっているという設定だったのでVF-25から大きく逸脱したデザインにできないことに苦心し、「前進翼は最後の手段」「マクロス世界だと、イサムバサラをはじめ前進翼は伝統的にカブキ者の機体っていう感じがしますしね(笑)」と語っている[1]

バンダイからはプラモデルや超合金などの商品展開が行われており、劇中には登場しない独自のカラーリングやマーキングが施された商品も存在する(後述)。

機体解説 編集

機体諸元
YF-29 デュランダル
設計・製造 新星インダストリー(マクロス・フロンティア工廠)/L.A.I
(YF-24 エボリューションをベースとして開発)
全長 ファイター:18.73m
全幅 ファイター:14.15m(主翼展開時)
全高 ファイター:3.88m(主脚含まず)
空虚重量 15,620kg(宇宙空間装備含まず)
エンジン 新星/P&W/RRステージII熱核反応タービン FF-3001/FC1×2
新星/L.A.I/RRステージII熱核反応タービン・ラムジェット FF-3003/FC1×2
エンジン推力 (FF-3001/FC1)2,105KN+×2、(FF-3003J/FC1)1,970KN+×2
(宇宙空間最大推力、大気圏高速モード時は
ラムジェットに切り替えて推力増加可能)
最高速度 M5.5+(高度10,000mにおける耐熱限界速度、
短時間ならM10以上まで加速可能)
乗員 1+1名(後部座席展開時)
攻撃兵装 ラミントンES-25A 25mm高速機関砲×2
ハワード/L.A.I HPB-01A 重量子ビームガンポッド×1
TW2-MDE/M25 隠頭式連装MDEビーム砲×1
ビフォーズMBL-02 マイクロミサイルランチャー×16 他
防御兵装 防弾シールド×1(左腕に装備)
エネルギー転換装甲SWAGシステム一式
ピンポイントバリアシステム一式
アクティブステルスシステム一式
チャフフレアースモークディスチャージャーシステム一式
特殊装備 フォールドウェーブシステム

新星インダストリー社MF(マクロス・フロンティア)工廠とL.A.I社が、YF-24 エボリューションを原型に共同開発した試作機。同じく両社がYF-24を原型に開発したVF-25 メサイアとは、多くの共通項を持つ姉妹機である。

設計段階から対バジュラ戦を想定した初の機体であり、超高純度の「フォールド・クォーツ」を機体の4か所に搭載することで、他の系列機を凌駕する高性能を発揮する。ただし、肝心のクォーツ自体が標的であるバジュラ自身の体内でしか精製できない稀少物質であったため、開発は大きく難航していた。後にマクロス・フロンティア船団が、バジュラとの戦闘で大量のクォーツを入手したことでようやく完成に至った。

主翼形状は、大気圏内での運動性向上に有利な前進翼を採用。これは、VFシリーズとしてはVF-9 カットラス・VF-19 エクスカリバーに続いて三例目となる。左右の脚部と主翼中間部に各1基ずつ、計4基のステージII熱核反応タービンエンジンが搭載されている。
YF-24シリーズの特徴であるコクピットの「EX-ギアシステム」やフォールド・クォーツを用いた慣性蓄積コンバーター「ISC」などの諸機能も完備されているが、使用されているクォーツの総量に比例してISCの対G限界が大幅に高められている[2]。 VF-25 メサイア用のトルネードパックは元々はオプション装備でYF-29の性能に近づけるために製作されたもので、YF-29用の装備を開発するためのテストに用いられていた。またマクロス・ギャラクシー船団製のVF-27 ルシファーはL.A.I経由でリークされたYF-29の情報を元に開発されたために4発エンジン装備など機体構成はYF-29に近い物となっている[3]他、マクロスF本編の約1年前を舞台とするマクロス・ザ・ライドにおいても、YF-28もしくはYF-29と推測されるデータを入手しているとマクロス・ギャラクシー船団側の人間から言及がある。

YF-29の持つ能力で特に重要なのはバジュラとのコミュニケーション能力である。YF-29は大出力のフォールド・ウェーブプロジェクターを搭載しており、ランカ・リーシェリル・ノームの二人の歌をバジュラに届ける役割を果たし、戦争終結に貢献した。

武装 編集

ラミントンES-25A 25mm高速機関砲
VF-25とVF-27では主翼基部に固定装備されている実弾砲。頭部の両側に計2門を装備している。
ハワード/LAI社製 HPB-01A重量子ビームガンポッド
本機専用に開発された携行式の大型ビーム砲。ファイター形態では、通常のガンポッドと同様に機体底面に懸架される。
TW2-MDE/M25 隠頭式連装MDEビーム砲
VF-25用トルネードパックに搭載されていた連装式ビーム砲の改良型。ファイター形態時は機体上面尾部に収納され、ガウォーク・バトロイド形態では上面のフレームが外れて旋回式のビーム砲となる。
ビフォーズMBL-02 マイクロミサイルランチャー
各部に計16基設置されたランチャーに最大100発のマイクロミサイルを格納する。対バジュラ用のMDE(マイクロ・ディメンション・イーター)仕様弾頭に対応している。

フォールドウェーブシステム 編集

YF-29を他の可変戦闘機と一線を画す「超可変戦闘機」たらしめているシステムとして「フォールドウェーブシステム」が挙げられる。1000カラット級の超高純度フォールド・クォーツ「賢者の石」から無尽蔵のエネルギー供給を可能にするフォールドウェーブデバイスを4基搭載している。名前の由来となった聖剣デュランダルの黄金の柄には4つの聖遺物が収められていたと言われており、4基のフォールドウェーブデバイスにはそれにちなんだ名前が付けられている。右主翼基部デバイスは「聖ペテロの歯」、右外翼エンジンポッド部デバイスは「聖バジルの血」、左外翼エンジンポッド部デバイスは「聖ドゥニの毛髪」、左主翼基部デバイスは「聖母マリアの衣片」と呼ばれる。これにより、熱核タービンエンジンの性能を限界まで引き出し、エネルギー転換装甲の常時フル稼働を可能にし(前進翼に熱核タービンエンジンを備える高負荷が架かる設計にも耐える強度を持ち)、フォールドウェーブの解析・増幅・探知を可能にしている。フォールドクォーツの力を解放し、オーバードライブ状態になると機体が金色の光で包まれ、機体性能が飛躍的に高まる。

オプションパック 編集

スーパーパック
高機動/推進剤バック、大出力フォールド・ウェーブプロジェクター/マイクロミサイルポッド×2、化学ロケットブースター(SLE-7A ロケットエンジン)で構成されるオプションパック。これを装備した状態は「YF-29スーパーパック装備[1]」と呼称される。スーパーパックは大気圏外と大気圏内で仕様が異なる。大気圏外ではフォールドウェーブプロジェクターを展開するが、大気圏内では空力の関係でプロジェクターを収納する。また、高機動/推進剤バックの先端部のカバーを大気圏内仕様は排除する。

商品展開 編集

1/100 YF-29 デュランダルバルキリー ファイターモード
バンダイホビー事業部より発売された、ファイター形態固定の1/100スケールプラモデル。2011年2月26日に、仕様の異なる下記の3種が同時発売された。
  • アルト機 - 成形色と付属のマーキングシール・デカールで、白と赤に黒のラインの劇中カラーを再現。ボックスアート天神英貴
  • ランカマーキングVer. - 映画には登場しないオリジナルカラー版。カラーリングは淡い緑で、江端里沙による恋離飛翼キービジュアル第1弾の「魔法少女パステル」に扮するランカ・リーのイラストのマーキングシールが付属する。
  • シェリルマーキングVer. - 映画には登場しないオリジナルカラー版。カラーリングは白と青で、恋離飛翼キービジュアル第2弾の「オルレアンの少女」に扮するシェリル・ノームのイラストのマーキングシールが付属する。
マクロスFスイング03
バンダイからガシャポンで発売されたキーチェーン。丸みをおびた形状にディフォルメされたキャラクターやYF-29がラインナップされている。痛車のようなオリジナルカラーのものも存在する。
  • YF-29 (アルト機) - 劇中と同じ赤白のアルト機カラー。
  • 痛YF-29 (ランカVer.) - 映画には登場しないオリジナルカラー版。ランカをイメージした緑のカラーリングのYF-29。
  • 痛YF-29 (シェリルVer.) - 映画には登場しないオリジナルカラー版。シェリルをイメージしたYF-29。プラモとは違い色はピンクとなっている。
DX超合金 YF-29 デュランダルバルキリー(早乙女アルト機)
バンダイコレクターズ事業部より2011年6月25日(土)発売。3形態への完全変形を再現した完成品トイ。同シリーズから発売されたVF-25・VF-27からの技術蓄積により、変形機構やギミックなどはより進化した物になっている。また、専用のスーパーパックが「魂ウェブ商店」にて受注販売予定。

脚注 編集

  1. 1.0 1.1 『劇場版 マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜 パンフレット』15頁。
  2. キャノピーやコックピットもフォールドクォーツの膜で覆い操縦席の空間自体がフォールドクォーツの膜で覆われている。キャノピーがフォールドクォーツと同じ紫色なのもこのためである。このためにより高性能なISCが実現できている。
  3. 『グレートメカニックDX16』千葉昌宏インタビューより。

参考文献 編集

外部リンク 編集

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